いつか読もうととってあった
『ナミヤ雑貨店の奇蹟』を読みました。
著者は東野圭吾さん。本の雰囲気も好きな感じ。
きっと面白いだろうなぁ。とは思っていたけど。
こんな話だったとは!
あたたかくて、読後感がすごくよかったのが印象的でした。
普段、東野さんやミステリーを読まない方にもお勧めです。
ざっくり言うと、こんなお話でした。
空き巣を働き、逃亡中の敦也・翔太・幸平。逃走に使った盗難車が故障で動かなくり、3人は空き巣の下見に来た時に見つけたあばら家で夜を明かすことにした。すると、人が住まないあばら家なのにもかかわらず、真夜中に1通の手紙が投げ込まれた。それは、自分の夢と恋人とのどちらを選ぶべきか、という内容の相談が書かれた手紙であった。このあばら家は、昔、あらゆる悩みの相談に乗るという店主がいる「ナミヤ雑貨店」という店だったのだ。今は誰もいない「ナミヤ雑貨店」に投げ込まれた相談の手紙・・・代わりに、3人が返事を書くことにした。そして、この1通の手紙を通じて、3人は信じられないような体験をすることになる。
(東野圭吾ナビサイト:ナミヤ雑貨店より引用)
実は、投げ込まれた手紙は過去からのもの。つまり、ナミヤ雑貨店の店主宛ての相談だったのです。戸惑いながらも、返事を書くことになった3人の若者は、次第にこの店の不思議な状況に気づき、相談者との手紙のやりとりの中で、様々なことを感じていきます。
物語は、章が変わるごとに、3人の若者、手紙を書いた相談者達、相談を受ける店主やその家族・・と視点がコロコロ変わっていくのですが、読んでいる中で、それぞれの人生が、お互いに深く関わり影響しあっていることに気づきます。
過去から現在までの1つ1つの出来事が、点と点でつながり、線となり、最後に大きな流れが洗われて、ぐぐっと結びつく。なるほど~!さすが!といった感じでした。
一番惹かれた人
手紙を書くひとりひとりの相談者の人生はどれも興味深く胸を打たれましたが、私が特に惹かれたのは、ナミヤ雑貨店の店主 浪矢さんでした。
妻に先立たれ、独居生活となった浪矢さん。雑貨店に来た子供達のたわいのない相談に乗っているうち、いつしか真剣な悩みの相談も受けるようになり、一人で抱えるようになっていきます。ボランティアでありながらも、1つ1つの相談を真摯に受け止め、自分の身を削ってまで返事を書き続けていく彼ですが、ある出来事から、自分ができることに限界を感じ、店をたたむことになります・・。
読み進めながら、波矢さんの
誰かの相談を受けることに、喜びと生きがいを見出していく気持ち。
まさかという出来事にショックを受けたり、自分を責める気持ち。
一方で、信じたい気持ち。祈る気持ち。
そこに込められた大切な人への思い。
色々な気持ちが、伝わってきて胸があつくなりました。
想いを受け取り、共にいるチカラ
本当に辛い時。悩んだ時。話を聞いてくれる人。分かってくれようとする人がたった一人いてくれることで救われることがあります。誰かにとっての自分がそんな存在になれるというのは、喜びです。
けれど、相談を受ける側としては、そこで勘違いをしたり、おごってはいけないと日々感じます。
その人の人生を決めるのはどんな時だって、その人自身。
相談を受ける側では決してないのだから。
けれども一方で、人が誰かの話を聴き、その想いを受け取ったり、ともに考えたり、迷ったり。幸せを祈ったり、願うことは、確かにチカラになる。
そして、その見えないチカラは、人から人へと広がっていき、時に奇跡のような出来事も起こすのかもしれないなと感じました。この物語のように。
私も、浪矢さんのような人になりたいと思いました。
あれこれ書きましたが、
興味がある方は読んでみてくださいね。
人っていいな。
やさしいな。と素直に思えるお話です。
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「自信がない」女性の自己肯定感を育てるカウンセラー かわのみどり
福祉施設、支援センターなどで12年間相談業務に従事。障がい児・者、家族、高齢者等、2000名以上の人生の転機に関わる。2010年独立。自分に自信がなく、自分より人を優先しがちな優しい女性が、その方らしさを大切に気持ち良い生き方をするためのカウンセリングや各種講座を開催している (自己紹介はコチラ)
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