(息子5歳)
先日、児童文学評論家の赤木かん子さんの講演会に行ってきました。
赤木かん子さんは「本の探偵」として活動され、著書もたくさんおありの他、全国各地の図書館改善にも関わっていらっしゃるとか。
参加者の多くは、図書館の関係者や、学校や保育園の先生などで、そういう方に向けた話が多かったのですが、話の中で「ほぅ!」と思ったことが色々あったので、伺ったことと感じたことを書きとめておきたいと思います。このサイトのテーマとはあまり関係ありませんので、興味がある方だけお読みくださいね。
本=物語ではない
この講演会は、「こどもが読みたくなる環境づくり」というテーマでした。受講者に向けて、まずこんなお話がありました。
子どもに、本=物語を読んでほしいと思っていませんか?
でも、本の大多数は物語ではありません。その他のものの方が圧倒的多数です。
本好きな先生達には、想像がつかないかもしれないが、物語を根っから好きで、自分から求めてどんどん読んでいける人は全人口の3パーセント位。あとの人は、そこまでは好きではない。
バリバリ理系の人は小説を読まない人が多い。
ノーベル賞を受賞したある科学者の本棚は自然科学、物理学、医学、哲学などで小説は一冊もなかった。
科学者は、なぜそうなるのかを純粋に知りたくてたまらない人
技術者は、なぜかよりも、動く・できる・役に立つことに魅力を感じるひと。
そういう人達が欲しい情報は小説にはあまりない。
物語が大好きで、物語と共に育ってきた私には、この言葉には衝撃でした!
物語や小説を読まない人は、ただその楽しさを知らないだけ。自分にぴったりのものに出会えたら、きっと誰もが大好きになるはず。そう思ってさえいました。
でも、そうですよね。もとから、人は1人1人興味も関心が違う。何でそう思いこんでいたんだろう?
ちなみに、私の夫は本・・特に小説は全く読みません。珍しい人だなぁ。なんてもったいないんだろうと思ったこともあるけど(私の周りには本好きが多いので)もしかしたら、私の方が少数派だったのかも?!夫にゴメンナサイの気持ちになりました。
豊かな言葉を使えるようになるには。
赤木さんは、今のこども達を見ていて感じることについても、お話くださいました。
今のこども達が日本語が上手く使えないのはなぜか。
大人のことばが貧しいから。豊かな言葉に触れていないから。
こどもが言葉を使えていないと思うなら、「使えない」「何で今の子は・・」と責める前に、教えてあげなければ。
大人達が子供達に本を読んでほしいのは日本語を習得し、語彙を増やし、知識を養って欲しいからだと思うが、それなら、本を読むより、大人が話すことが先。本に興味を持ってもらいたいなら、その世界の楽しさを伝えたり、本も読んであげる方が早道。
物語は、基本読む人に分かる言葉で分かる言葉で書かれているので、あまり語彙は増えない。
むしろ小さい頃は、自然科学(恐竜、昆虫、動物、植物、宇宙等)に興味がある時期。図鑑を色々見せて読んであげるといい。はじめは興味がない子も、親が説明しながら、その世界に案内してあげると入ってきやすいと思う。
子ども達は、生きるために必要なものを、成長と共に学んでいく。
4~7歳は、面白いと思ったことは、一瞬で覚える時代。その時代を大切にしてほしい。
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私が子どもに本と友達になってほしいなぁと思うのは、語彙だけではなく、本を通して、世界や人の豊かさにたくさん触れて、楽しんでほしいなぁって思うからですが、それは、物語の本に限らないのですよね。
そして、「大人が豊かなことばを伝えていない」という言葉にはっとしました。私自身、豊かな言葉を使い、語彙をもっているかというとそうでもないのです。だから、親が豊かなことばに触れるのを意識すると共に、親以外の人にも助けてもらう・・例えば、色んな場所に行ったり、色んな人に会ったり、いろんな経験をして、豊かなものに触れていくことが大切なんだよなぁと思いました。
今のこども達が読みたいもの。
また、今の子供たちの変化についてもお話がありました。
今の21歳辺りを境に本(特に物語)を読む子がぐっと減った。
(21歳の子が生まれた1995年はWindows95が発売された年、コンピューター以前と以後の区切り)
今の6年生以上と以下でも世代の差がある(スマホ以前、以後)
今の大人が読んだ物語は、今の子ども達にとっては古典(違う世界の話)なので、読むのは大変。
物語は時代と共にすたれていくものが殆ど。
時代も育っている環境も全く違うのに、大人が読んで面白かったから子どもが面白いと思うのは、大まちがい!
今、児童文学は子どもが面白いと感じるものを書ける書き手が少ない。なので、文学に関しては「子供が読みたい」というものをどんどん与えること+自分では選ばない古典(世界と日本の名作)を揃えてあげるといい。
こども達が、興味を持つものは成長によっても変わる。
小学校までには自然科学や物理に素直に興味を持つ子が多いが、4年生以上になると、自分に近いことにしか興味がなくなる(例 男の子:戦国 女の子:友情とロマンス 等)その時期に興味がありそうな本を用意して上げれるとよい。
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ふむふむ。確かに興味は年代によっても変わりますよね。
私の5歳の息子は、物語も好きですが、図鑑も大好き!
「太陽に触ったらやけどする?」「バッタとカマキリは友達?」「どうして、夜なのに昼なの?(=日が長いこと)」など毎日いろんなことを聞いてきます。まさに【その時期】なのですよね。でも、これがずっと続く訳ではない。だからこそ、この時期を一緒にもっと楽しんでいきたいなぁと思いました。
赤木さんお勧めの図鑑
ただ、図鑑には旬がある。いくら立派な本でも情報が古くては意味がないので、図書館等の蔵書は、定期的に買いかえ最先端のものを用意してあげてほしい。
ということで、お話の中でいくつかお勧めの図鑑の紹介がありました。
1)太陽系の惑星
幼稚園から小学校1年生くらいのお子さんに。
一つ一つの惑星が美しい絵と共に分かりやすく説明されています。
2)熱帯雨林の世界
とにかく中の写真が大きく美しくて、引き込まれます。
3)江戸の科学図鑑
ものづくりの好きな男子にはたまらない本。
4)実物大恐竜図鑑
実物大の絵がたくさんで、イメージがわく。小さい男の子は大好き!
まとめ
赤木さんのお話は、こんな風にまとめられました。
時代も変わっている。子どもも変わっている。本も変わっている。
大人がよかったと思う昔の本ではなく、子供が興味が持てる本を見れるようにしてあげてほしい。
「本を読みなさい」と口でいうだけでなく、子どもが、「へー、すごいね」「見たいな」と興味を持つところまで案内してあげると、本に興味を持てる子も増えると思う。
今回のお話を聞いて、これは「本」だけに限らないことだなぁと感じました。
私達は自分が馴染んでいるものを、「よい」「当たり前」と感じがちで、それを無意識で子どもにも望みそうになるけれど、子ども達はこども達の時代を精一杯生きている。それを、共に感じていきたいなぁと思いました。
「今の子ども達は頭がよく、特に小学校5年生以下のスマホ世代は、世界の最先端!」という言葉も印象に残りました。最先端のこども達に、こちらが教えてもらうこともたくさんあるのでしょうね。
■赤木かん子さんのHPはこちら⇒☆
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福祉施設、支援センターなどで12年間相談業務に従事。障がい児・者、家族、高齢者等、2000名以上の人生の転機に関わる。2010年独立。自分に自信がなく、自分より人を優先しがちな優しい女性が、その方らしさを大切に気持ち良い生き方をするためのカウンセリングや各種講座を開催している (自己紹介はコチラ)
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