先日、もう一つのブログの方に
『何のために学校にいくかというとね・・』
という記事を書きました。
素敵な言葉を教えてもらったので
ご紹介したのですが、
この話を紹介した後に、
以前読んだ本のことを
ふと思い出しました。
読み直してみたら、とても
胸に響いたので、ご紹介しますね。
もくじ
大江健三郎さんが思う 子どもが学校に行かねばならない理由
その本とは、大江健三郎さんの
「自分の木の下で」
大江さんというと骨太の
難しい文章のイメージですが、
この本では、子どもにも読みやすいような
やさしい言葉で、16のメッセージを綴られています。
その最初のメッセージが
「なぜ子供は学校にいかねばならないのか」
このことについて、大江さんは、
人生で2度考える機会があったそうです。
1度目は、大江さんが10歳。
終戦を迎えた激動の時期。
2度目は、重い障がいのある長男の光さんを
学校に通わせるようになった頃。
そして、いずれの時も
大江さんには素晴らしい答えがやってきたそうです。
今日はそのうちの
2つ目の答えについてご紹介しますね。
光さん自身が導き出した 学校に行かねばならない理由
2つ目の答えは、
息子の光さん自身が導き出しました。
光さんは、7歳で特殊学級に通い出し
様々な障害のある子ども達の中で、
最初はいつも耳を両手でふさいで、
身体を固くして過ごしていたそうです。
それを見て、父親の大江さんは、
「光はどうして学校に行かなければならないのだろう?」
「野鳥の歌だけはよくわかって、
その名を両親に教えるのが好きなのだから、
森に家を建て、暮らすことにしてはどうだろうか?」
そんな風に悩んだりもしたそうです。
でも、光さんはしばらくすると、
騒がしい音が同じように嫌いな友達を見つけ、
教室の隅で手を握りあい、
じっと耐えて過ごすようになりました。
そして、運動能力が自分より弱い
その友達がトイレに行くときは、
その手助けをするようにもなりました。
そのうち2人は、他の友達から離れて
FMの音楽放送を聞いて過ごすようになり、
1年もたつと、
「人間の作った音楽」というのは
「鳥の歌」よりもよくわかる「言葉」
だということに気づくようになり
バッハやモーツァルトといった
作曲家の名前を言いあって、
音楽を楽しむようになったそうです。
そして、光さんが教えてくれた
「なぜ人は、学校に行かねばならないのか」
の答えとして、大江さんは次のように書かれています。
大切な問題は じっと考えていけばいい。
これを読んで、
すごく納得される方もいるでしょうし、
ちょっと違和感を
感じる方もいるかもしれません。
私自身、学校に行く意味はあると思うけど
絶対に行かないといけないとは思わないし、
学校に行けないことや
行けないことにも
深い意味があると思います。
(このことについてはまた、ゆっくり書きたいです)
けれど、大江さんの語られている
ことはとても胸に響くし
子どもたちに伝えたいとも感じました。
答えは1つではない。
難しくて、よく分からない。
そういうことこそ、
色んな人の意見をききながら
自分で考えてみることが
大切だと思うし、
難しいからこそ
面白さがあると思うんです。
大江さんも、本の中で
こんな風に書かれていました。
「自分の木の下で」というタイトルの意味
そうそう、もう一つの
「学校に行かねばならない」の答えである
大江さん自身が子供の頃の
お母さまとのエピソードも
とても感動的でした。
大江さんがはじめて、
子どもに向けて
書いたというこの本。
私は若い頃読んだ時より、
今の方が、ずっと
たくさんのものを受け取れた気がします。
気になる方は読んでみてくださいね。
*
【かわのみどりの情報を受け取りたい方へ】
メールマガジンでは、
月に数回
心が楽になるコラムと
サービスの優先情報を
ゆったりお届けしています。
「自信がない」女性の自己肯定感を育てるカウンセラー かわのみどり
福祉施設、支援センターなどで12年間相談業務に従事。障がい児・者、家族、高齢者等、2000名以上の人生の転機に関わる。2010年独立。自分に自信がなく、自分より人を優先しがちな優しい女性が、その方らしさを大切に気持ち良い生き方をするためのカウンセリングや各種講座を開催している (自己紹介はコチラ)
【メールマガジン:優先情報をお届けしてます】 私のこころと仲良くなる88のヒント
【自信をつけたい女性のための無料講座】ほんとうの自信を育てる5つのステップ
【セラピストを天職にしたい方への無料講座】幸せなセラピストになる7つの秘訣
この記事へのトラックバックはありません。