「しあわせの絵の具」こんな映画です。
先日、とても胸に残る映画をみました。
題名は「しあわせの絵の具」カナダで一番有名とも言われる画家、モード ルイスの人生を映画化したものです。
派手さはない静かな映画ですがじわーっと余韻が残ってなかなかさめません。
物語は手足が不自由で家庭にも恵まれないモードと、天涯孤独のエベレットの出会いから30年に渡る軌跡を描いています。家を出たくて家政婦として志願し、エベレットの家を訪ねるモード。しぶしぶ受け入れたエベレットですが、孤児院育ちで人とのあたたかいやりとりをしたことがない彼は、最初、激しく冷たい言動でモードを威嚇し、見ているこちらの胸まで痛くなる程でした。けれど生活を共にしていき、モードの絵が売れるようになる中で、2人の関係も少しずつ変化し、お互いがかけがえのないものになっていきます。
そのゆっくりとした変化が、移りゆくカナダの大自然と、だんだんモードの絵が増えて明るく家庭らしくなっていく家と、窓辺からの景色と… さまざまなもので感じさせてもらえます。音楽も繊細で美しく彩りをそえていました。
主人公:モードからの幸せのヒント
この映画は、題名のとおり「しあわせ」のヒントがたくさんつまっていた気がします。
幼い頃から手足が不自由で差別を受け、電気もガスも水道もない小さな小屋で暮らし続けた主人公モードの生活は、不自由で不幸に見えるかもしれません。けれど、モードは「しあわせだ」と話します。それは幸せは条件ではなく、感じるものだから。
美しいものを美しいと素直に感じ、ユーモアをもって人に接し、相手の心にある優しさを優しさとして感じられる。それがモードの魅力であり、幸せの秘訣だなぁと思いました。途中「どうしてそんなに絵を描き続けるの?」というようなことを知人に問われた時のモードの表情とことばが素敵で(これは、ぜひ実際に映画の中で見て聞いてほしい!)そんな風に物事を見ているモードだからこそ、あんなにも明るく幸せが満ちあふれた絵が描けたのかなぁと思いました。
夫:エベレットからの幸せのヒント
そして、私がこの映画で、何より目を離せなかったのが夫エベレットの表情でした。
きっと、そうせずには生きてこられないような環境で暮らしてきたのでしょう。常に相手を威嚇しおびえさせ、自分が優位でないと耐えられなかった彼が、モードとの暮らしの中で、少しずつ少しずつ不器用ながらも相手を思いやり、時より優しい眼差しを見せる姿。モードの絵が売れるようになり、妻を支えつつも、何となく辛そうな寂しそうな表情。その後、モードと激しいケンカをした際、妻を支えることで、ずっと男としてのプライドが傷ついて葛藤していたことを伝える姿…ずっと外の世界と戦い、自分の心の中でも戦っていた彼の苦しさがひしひしと感じられました。
けれど、本当に妻が自分にとってかけがえのないものだと気づけた時、それをことばにできた時。そして、妻が本当に自分を愛してくれていたのだと気づいた時、彼の中の長い戦争はようやく終りを迎えたのでしょう。
生きるのは楽しいことばかりでもないし、きれいごとばかりでもない。けれども、その中で幸せな瞬間は必ずある。今はそう思えなくても、時間によって変わることや気づけることもある。モードの姿は、そんなことを教えてくれた気もしました。
あぁ、エベレットよかった…(しみじみ)
あなたが感じるのはどんなことでしょう?
夫婦愛、生きるということ、才能や天職、人との縁、アートの力、自然の豊かさ、運命、親の愛、人の生まれと育ちについて… 人によって、いろんなことを感じる映画だと思います。興味があったら見てみてくださいね。観終わった後、誰かと語りあいたくなると思います。
今、劇場でやっているところは少ないかもしれませんが、既にDVDが発売されているそうです。
興味があれば、手にとってみてくださいね。私もまたじっくり観たいです。
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「心が細やかな女性の自己肯定感を育てるカウンセラー かわのみどり
福祉施設、支援センターなどで12年間相談業務に従事。障がい児・者、家族、高齢者等、2000名以上の人生の転機に関わる。2010年独立。自分に自信がなく、自分より人を優先しがちな優しい女性が、その方らしさを大切に気持ち良い生き方をするためのカウンセリングや各種講座を開催している (自己紹介はコチラ)
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